季節の変わり目

四月ももう終わりに近づいた頃、ふと電車から見える桜並木を見ると花は散り、代わりに青々とした若葉が広がっていた。まだ薄い、柔らかな色をした若葉は桜の枝から力一杯に広がっている。それはまさに初夏を告げていた。

いつ、春が終わったのだろう。私はふと頭によぎった。さっきまで春の訪れを告げるものでいっぱいだったはずなのに、もう夏が近づいてきている。いつの間にか冬が終わり、春が終わり、夏になる。季節を感じる時間も無い。今年こそはと思うけれど、やはり季節は気づかぬうちに過ぎ去ってしまう。きっと、来年も同じようなことを感じているのだろう。

では、いつになったら四季の変化を感じられるのだろうか。もしかしたら、季節の変化なんてものは気づくことができないまま終わってしまうのかもしれない。季節なんて毎年来るものだから、そんな事は気にしなくてもいいのであろう。しかし、やはりその時の季節を感じる事ができないと、何か失敗をしでかしたような感覚がする。

日本の風土だからとか、四季があるからだとか、そんなものはどうでもいい。変化に気づけない自分が嫌なのだと思う。季節は人にとって一番わかりやすい変化だと思うから、その変化に気づけないとやってしまった感じかするのである。

その点、桜などの木々は羨ましい。春は花が咲き、夏は青々と葉が茂り、秋は色鮮やかに紅葉し、冬は一斉に葉が落ちる。なんて季節を感じているのだろう。

電車の窓から見える少しずつ夏の木へと変化している桜を羨ましく思いながら、私は今年こそは季節の変化を楽しもうと決意をした。